【税理士の節税】小規模企業共済は節税効果抜群
制度の概要を知る
小規模企業共済制度は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が小規模企業共済法に基づき運営している共済制度で、個人事業をやめたとき、会社の役員を退職したときなど将来の生活資金等に備えて毎月掛け金を積み立てていき、これらの事由が生じた場合にその積み立てたお金が戻ってくるというものです。
ですからこの制度は、「経営者の退職金制度」とも言われています。
毎月の掛金は、1,000円から7万円までの範囲内(500円単位)で自由に選択できます。
また、掛金月額は増額もでき、事業経営の著しい悪化など一定の場合には減額もできます。
まずは払うときに節税
掛金については、所得税法上、「小規模企業共済等掛金控除」としてその全額を所得控除として申告することができます。
一般の生命保険等では、保険料をいくら支払ったとしても所得控除は最大12万円までですが、
この小規模企業共済等掛金控除は最大84万円(掛金月額7万円×12月)まで所得控除できます。
また、この掛金は1年分を前納することもでき、前納した場合にはその全額を支払った年の掛金として所得控除できます。
掛金の全額が所得控除になるため、非常に節税効果が高い制度となります。
受け取るときにも節税
共済金の受取方法には、➀一括受取り、➁分割受取り、➂一括受取りと分割受取りの併用の3種類があります。
個人事業の廃止や老齢給付などにより共済金を受け取る場合、
一括受取りについては「退職所得」扱い、
分割受取りの場合には「公的年金等の雑所得」扱いとなります。
「退職所得」と「公的年金等の雑所得」は、いずれも税制面での優遇措置がありますので、結果としてそれだけで節税効果があります。
ただし、受取り時の状況によっては所得税が課される場合もありますので、受取り時の状況を想定しておくことが必要です。
このように小規模企業共済は、一般の保険では考えられないほど高い節税効果(掛金の支払時、共済金の受取り時の両方で税制の優遇措置)があるわけですから、投資先として見直してみると良いでしょう。