損益計算書のポイント➃ 不良在庫を廃棄するならこの計上方法
商品廃棄損とは
商品廃棄損とは、読んで字のごとく、商品を廃棄した際の損失額をいいます。
商品をかかえるということは、保管費用やそれに伴う人件費が発生します。
もしその商品が不良在庫であれば、費用だけが発生し続けることになりますし、倉庫のスペースを占有し続けることになります。
そのため、おもいきって廃棄処分をおこなったほうがよい場合があります。
また、商品が破損、腐敗などしてしまったことにより廃棄せざるをえないこともありえます。
商品廃棄損は特別損失に!
毎期継続して商品廃棄損が発生する業種は別として、それ以外の業種については、臨時的、偶発的なものと考えられますので、特別損失に計上してもさしつかえありません。
しかし、仕入れた商品を仕入高に計上したまま、売上原価を構成しているケースが見受けられます。
売上原価に計上してしまうと利益率が下がり、売上総利益が減少してしまいます。
これでは、金融機関の格付けで不利となり、お金を借りやすい決算書とはいえなくなります。
金融機関の格付けを考えた場合、売上総利益、営業利益の金額を大きくすることが大事なのです。
また、商品廃棄損の金額を売上原価に含めてしまうと、自社の原価管理を正しく行えなくなります。
原価率を管理し、売上総利益、営業利益をいかにして多くするかは、経営上、非常に重要な課題ですので、原価管理は適正に行いたいところです。
商品を廃棄せざるをえない場合には、金融機関対策だけでなく経営管理の観点からも、この方法をご検討ください。