Q 個人事業主が親族に支払った給与は必要経費になりますか？（１）
A 生計を一にする配偶者その他の親族に対し支払った給与は、原則として必要経費になりません。
不動産所得、事業所得または山林所得を生ずべき事業を営む事業者が、その事業者と生計を一にする配偶者その他の親族に給料を支払っても、その支払った金額をその事業者の必要経費に算入することはできません。
個人事業主が人手不足のため親族にその営む事業を手伝ってもらう場合もあると思いますが、そのとき他の従業員と同じような条件で労働の対価として適正額の給料を支給したとしても、その支払った給与は必要経費に算入しないものとされています。
しかし、生計を別にする親族に対する給与の場合は、その支払う金額が労働の対価として適正額であれば必要経費に算入されることになります。
また、給与の支払いを受けた金額は、別生計の親族の場合は給与所得の収入金額となりますが、生計を一にする親族の場合には、支払った個人事業主側の必要経費に算入されないことから、その生計を一にする親族の給与所得の金額の計算上はないものとみなされます。
なお、事業専従者の要件を満たす場合には、その事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、一定額を必要経費とみなす特例もありますから、これについては「個人事業主が親族に支払った給与は必要経費になりますか？（２）」でご紹介します。
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