損益計算書のポイント➀ 定款の目的はどうなっていますか?
営業外収益を売上に
融資においては、金融機関は利益の中でも売上総利益・営業利益を特に重視します。会社の目的とする事業でどれだけ儲かっているかが重要となるわけです。
お金を借りやすい決算書を作成するためには、これらの利益を出来るだけ多くする必要があり、そのための方法として検討したいのが、営業外収益を売上に振替えることができないかどうかです。
営業外収益とは
営業外収益とは、会社の本業以外の活動で経常的に発生する収益をいいます。
受取利息・受取家賃・雑収入などの科目が一般的ではないでしょうか。
ここでポイントとなるのは、本業とはなにかという点です。
本業とは、会社の定款に目的として記載されている事業をいいます。
したがって、定款に目的として記載されている事業から生じた収益は、たとえ金額が小さくても売上として計上することが本来とるべき方法となります。
逆にいえば、定款の目的に記載していない業務から生じた収益で金額が大きいものがある場合には、定款の目的にその業務を追加することで、雑収入で計上している収益を売上に振替えることも可能となります。
定款変更の一例
たとえば、次のような収益が考えられます。
➀ 受取家賃
受取家賃に対応する費用である減価償却費は、販売費及び一般管理費に計上されていますので、受取家賃を営業外収益に計上すると営業利益が少なくなってしまいます。
そうならないためにも定款の目的に「不動産賃貸業」を追加し、売上に計上することが考えられます。
➁ 保険代理店手数料
保険代理店として登録するためには、定款の目的にその業務を記載することが求められます。
定款の目的に記載しているのですから、売上に計上することはなんら問題ありません。
ここであげたもの以外にも、毎期生じる収益があるようであれば、その収益を売上に計上することでお金を借りやすい決算書に近づけることができるのです。