損益計算書のポイント➄ 間違えやすい値引き・割戻し・割引の計上方法
仕入値引き・仕入割戻しを受けた場合
取引先から商品などを一括で仕入れたり、大量に仕入れた場合、取引先から仕入金額の値引きや割戻しを受ける事があります。
請求書に値引きや割戻しの記載があり、その記載金額を差引いて支払った場合には、その支払額を仕入の金額としてもさしつかえありません。
気をつけたいのは、その値引きや割戻しの金額を後日に受けとる場合です。
入金分を、単純に雑収入として営業外収益に計上しているケースが見受けられますが、これではお金を借りやすい決算書としては不十分です。
営業外収益に計上すると、金融機関が重視する売上総利益や営業利益に影響しないため、これらの利益金額が少なくなってしまいます。
そのため、仕入の控除項目として売上原価から差し引く方法をおすすめします。
そうすれば、売上総利益や営業利益の増額に貢献することができます。
売上割引を行った場合
売上割引とは、売掛金の支払いを通常の期日よりも早く受けた場合に、一定額を割引く事をいいます。
売上の早期回収のための費用ですので、その性質は値引きや割戻しと異なり、利息に似ています。
そのため、支払利息などと同じく営業外費用に計上するのが正しい処理となります。
しかし、この売上割引を値引きや割戻しと混同し、売上高から控除しているケースが見受けられます。
これでは、売上金額が少なくなってしまい、売上総利益や営業利益が少なくなってしまいます。
そのため、これらを混同することなく、売上割引については、営業外収益に計上するのがよいでしょう。