流動比率をアップさせよう➀ 意外と意識されていないポイント
ポイント➀ 未払金
未払金とは、本来の営業取引以外の非継続的な取引から生じる債務をいいます。
通常は、締日のあと1ヶ月以内に支払うことがほどんどですので、「流動負債」に計上します。
しかし設備投資を行った場合など、その支払が1年以上におよぶ場合があります。
支払期日が決算日の翌日から1年以内のものは未払金として「流動負債」となりますが、1年をこえるものについては長期未払金として「固定負債」に計上することになります。
支払期日を意識せず「流動負債」としているケースが見受けられますが、「固定負債」に計上することで流動比率が高まりますので、お金を借りやすい決算書を作成するためには、ぜひともおさえておきたいポイントです。
長期未払金は、高額になることが多く、流動比率がおおきく改善する場合がありますので、ぜひ意識したいところです。
ポイント➁ 預り金
預り金は、給料から差し引かれる所得税や住民税、社会保険料などが一般的で、「流動負債」に計上されます。
ただ、不動産を貸し付けた場合に預かる保証金や取引先から預かる営業保証金なども預り金として「流動負債」に含めているケースを見かけます。
これらは通常、その返還期限が1年以上先になると考えられますので、長期預り金や預り保証金などの科目で「固定負債」に計上する必要があります。
そして、これらを「固定負債」に計上することにより、流動比率が高まるのです。
これらは、会計基準を厳密に適用しているだけのことなのですが、あまり意識せずに作成している決算書が見受けられます。
流動比率は「安全性」を測る指標として金融機関は重視していますので、それをふまえた決算書を作成する必要があるのです。