流動比率をアップさせよう➁ 借入金はどうすべき?
金融機関からの借入金
金融機関では、手形貸付や当座借越は短期貸付金、証書貸付は長期貸付金と考えています。
そのため、借りる側においても、手形借入や当座貸越は短期借入金、証書借入は長期借入金として計上するのが一般的です。
しかし、お金を借りやすい決算書作成のためには、流動負債から固定負債に振替えて、流動比率を上げられないかどうかを検討する必要があります。
流動負債に計上するのか、固定負債に計上するのかの判断は、決算日の翌日から1年以内に返済期限がおとずれるかどうかです。
当座借越は契約期間が2年や3年となっている場合があります。また、手形借入についてもごくまれにですが、返済期限が1年以上先の場合があります。
その場合、固定負債に計上できないかどうか検討するのがよいでしょう。
役員からの借入金
中小企業の場合、運転資金などのために役員から借入れを行うのはよくあることです。
きちんと契約書を作成し、返済期限をさだめ、それに基づき返済しているのであれば、返済期限が決算日の翌日から1年以内かどうかにより、流動負債と固定負債のどちらに計上するのかを判断することになります。
しかし実際には、契約書を作成せずに返済期限を定めていないケースの方が多いのではないでしょうか?
そのような場合には、1年以内に必ず返済することが確定していないのであれば、固定負債に計上しても差し支えないと考えられます。
また、役員からの借入金については、金融機関からの借入金とは区分して、「役員借入金」という科目を設けることをおすすめします。
債務償還年数の計算上、「役員借入金」は有利子負債に含まれませんので、金融機関が会社を格付けするさいに有利にはたらきます。
お金を借りやすい決算書のためには、この点も押さえておきたいところです。