知っておきたい償還財源を増やす方法 リース資産編
償還財源とは
償還財源は次の算式で表されます。
そのため、償却前営業利益を増加させることができれば、償還財源を多くすることができます。
リース資産とは
リース資産とは、リースによって取得した資産をいいます。
リース形態によって、所有権移転(外)ファイナンスリース取引やオペレーティングリース取引などがありますが、ここでは簡便的に所有権移転外リース取引について説明します。
このリース資産については、経理方法が2通りあります。
リース契約を締結した時点で、リース資産を購入したものとしてリース料の総額で資産計上をします。ま た、リース料の未払部分をリース債務として計上します。
大まかにはリース資産を購入し、リース債務を分割で支払っていくようなイメージです。
➁ 賃貸借処理
リース料を支払った際に、賃借料などの費用として計上します。資産や負債には計上しません。
会計・税務ともに➀の売買処理を行うのが原則ですが、少額なリース取引や中小企業においては、➁の賃貸借処理を行うことが可能です。
では、お金を借りやすい決算書を作成するためには、どちらの方法を採用すべきでしょうか?
それぞれのメリット
➀の売買処理を行った場合、その費用は賃借料ではなく、減価償却費として計上することになります。
償還財源の計算式では、償却前営業利益とあるように減価償却費については、営業利益から差し引きません。これは、減価償却費が支出を伴わない費用であることによります。
一方、➁の賃貸借処理を行った場合には、賃借料は営業利益の計算上、差し引くことになります。
このため、➀の売買処理の方法を選択した方が、償却前営業利益が多くなります。この点が➀の売買処理の方法のメリットです。
➁の賃貸借処理を行った場合、リース資産、リース債務を計上する必要がなくなりますので、自己資本比率がよくなります。この点が➁の賃貸借処理の方法のメリットです。
ではどちらのメリットを優先すべきでしょうか?
自己資本比率も重要ですが、借入の際には、債務償還年数の方が特に重要と考えられます。
そのため➀の売買処理の方法をおすすめします。