自己資本比率を改善するならこの方法 デット・エクイティ・スワップ編
自己資本比率とは
金融機関は、貸付けに際し、会社の「収益性」「安全性」「返済能力」を決算書から読み取ります。
そのうち「安全性」を測るために重要となるのが、自己資本比率です。
自己資本比率は、次の算式で表されます。
自己資本比率 = 自己資本 / 総資本
総資本のうちに、自己資本の占める割合を表しているのが自己資本比率です。
まず総資本とは、その会社の資金調達の全てをいいます。そして、自己資本とは、返済しなくてもよい資金調達をいいます。
資金調達のうちの大部分を、返済しないといけない資金調達(例えば借入金)に頼っている会社は安全と言えるでしょうか?
少なくとも、返済しないといけない資金調達が少ない会社に比べれば、倒産する可能性が高いことは間違いないでしょう。
そのため、会社の安全性を測るために、自己資本比率は重要な指標となるのです。
デット・エクイティ・スワップとは
例えば、会社に役員からの借入金があるとします。この役員借入金は会社から見れば債務、役員から見れば債権です。
デット・エクイティ・スワップは、役員がこの債権を会社に出資し、代わりに会社から株式の発行を受けとることをいいます。
会社から見れば、返済義務のある借入金がなくなり代わりに返済義務のない資本金が増加することになります。その結果、会社の自己資本比率が増加することになるのです。
社長が会社の株式の100%を所有しており、その社長からの借入金がある場合には、株主構成はかわりません。また、資金移動を行う必要もなく、増資手続きも比較的簡単であることは、この方法のメリットでしょう。
ただし、税務上は簡単ではありません。その債権金額の時価評価を行うなどの手続きが必要となります。
そのため、実際に実行する際には、専門家である税理士に相談されることをおすすめいたします。