Q 個人事業主が自家用車を事業用にした場合の減価償却費の計算は?
A.まず、自家用車として使用していた期間における「減価の額」を計算します。事業用として減価償却を行うことができるのは、取得価額からその「減価の額」を差し引いた金額までとなります。
自動車は、時の経過とともにその価値が減少する減価償却資産です。
たとえ自家用車として使用していた場合であっても、自動車の価値は減少していきます。
そのため、事業に使用する時点までに減少した価値の額を計算する必要があります。
事業に使用してからの減価償却費の計算は、通常どおりの計算方法となりますが、自家用車として使用していた期間に減少した額については、既に償却済みですので減価償却を行うことはできません。
なお、減価償却方法の判定は、実際に取得した時点で行います。事業に使用することとした日で判定するわけではありませんので、注意が必要です。
計算例
例えば、平成20年に400万円で購入した自動車(法定耐用年数6年、定額法)を自家用車として3年使用したのち、事業に使用することとした場合について計算してみます。
まず、減価の額は次のようにして計算します。
業務の用に供されていなかった期間につき、その資産の耐用年数の1.5倍に相当する年数で、旧定額法に準じて計算した減価の額
(4,000,000円-400,000円)×0.111(※)×3年=1,198,800円
※ 9年(6年×1.5)の旧定額法の償却率
従って、事業に使用する事とした日以降に減価償却を行うことができるのは、次の金額が限度となります。
4,000,000円 - 1,198,800円 = 2,801,200円
あとは、通常通り減価償却費を計算することになります。
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