【税理士の節税】固定資産税は払っていなくても節税に使える
節税―債務の確定
決算にあたってまだ支払いの済んでいない経費についても、債務が確定さえしていればその事業年度の経費として取り扱えます。
債務が確定していると言うには、次の3つに該当していないといけません。
➀ 債務が成立している ➁ 具体的な給付をすべき原因となる事実がある ➂ その金額を算定することができる |
この方法は、費用を当期に計上するか、翌期に計上するかの違いだけですので、経費として計上する金額はトータルで見れば結果は同じです。
しかし、その費用を先に計上することによって利益を少なくして節税をすることができますから、結果、その節税で浮いたお金を他の投資機会に回すこともできるのです。
節税の基本とも言えます。
まだ払っていない固定資産税
これは未払となっている一部の税金ついても同じです。その代表的なものが固定資産税です。
固定資産税の場合、不動産を多く所有している法人ほどその効果は大きくなります。
固定資産税は、賦課課税方式の税金です。賦課課税方式は、簡単に言うと自分で税金を計算せずに、役所などが税金を計算して通知してくる方式のことです。
この賦課課税方式である固定資産税の場合、経費として計上できる時期は次の中から選択することができます。
➀ 賦課決定のあった事業年度 納税通知書が到達したときに、固定資産税の全額を経費として処理します。 納税通知書の到達は、大阪市の場合には毎年4月頃になります。 ➁ 納期の開始日の事業年度 ➂ 実際に納付した事業年度 |
一般的には、経理処理も簡単だからということで➂を選択することが多いと思います。
どの時点で経費にするかがとても重要で、➁や➂を選択した場合に4回の納期がすべて同じ事業年度に入ってしまえばいいのですが、もしそうでない場合には➀を選択し、決算時にまだ支払っていない固定資産税についても未払計上をして経費処理することによって、節税することができるのです。
決算期に特別な支出を伴わない節税で、決算手続き中でも時期としては遅くないので、有効な節税対策の一つとなるでしょう。