【税理士の節税】決断‐決算期を変更する!
意外と簡単な決算期の変更
決断と言っても意外と簡単に決算期の変更はできます。
決算期の変更をしたい場合には、株主総会の特別決議を経て、定款を変更することが必要になります。
事業年度の変更は、登記事項ではないため、法務局での登記手続きは必要ありませんし、改めて公証人役場で定款の認証を受ける必要もありません。
ただし、株主総会の決議後に株主総会議事録を作成し、その株主総会議事録のコピーを添付して、税務署・都道府県税事務所・市区町村に事業年度変更の異動届出書を提出します。
中小企業の場合には、大企業に比べると株主総会が開催しやすいため、事業年度変更は比較的簡単です。
どんなときに決算期変更が有効か
決算期の変更は、決算期日まであとわずかなのに想定外の利益がでるような場合に節税対策として有効です。
例えば、3月で決算期日を迎える会社が、決算期日のぎりぎりになって多額の利益が発生することが予測できた場合には、思い切って2月に決算期を変更します。
2月決算に変更することで、3月分の利益は翌期に計上することができます。
これだけでは利益を先延ばしにしただけですが、この先延ばししたことによって節税対策を検討する時間が生まれます。
例えば、役員報酬は毎月定期同額で支給しなければ損金とはなりませんから、原則として役員報酬の金額は改定できません。しかしながら、決算期の変更をすれば株主総会で仕切り直して役員報酬の増額改定もできます。
また、その節税対策の猶予期間中に必要な経費を多めに計上するといったこともできますから、想定外の利益でも課税対象を減らすことができるのです。
そのほか、売上が季節変動するような業種の場合には、節税対策の観点から、売上が多い月を事業年度の最初に持ってくることが有効です。
注意点もある
決算期の変更に伴って、1年未満の事業年度が生じることになりますので、固定資産の減価償却費の計算など税務上の計算が通常と異なる部分が生じることや、経営分析を行う場合に期間比較がしにくいといったデメリットもあります。
また、決算期を早めたことによって納税時期が早まることも忘れてはいけません。