【税理士の節税】分社化に付随する節税メリット
分社化の観点
いまや中小企業においても分社化することは多くなっています。
分社化には、
事業的な側面(不要な資産の増加や事業部等の意思決定に迅速性が確保できないこと等への対応)、 事業承継の側面(複数の後継者がいる場合に後に争続となることを回避すること等への対応) 節税の側面(分社化することによって小規模化した会社が受ける税制の恩恵) |
などがあります。
分社化に付随する節税メリット
法人税率の軽減措置
分社化することによって法人税率の軽減措置が活用できます。
資本金1億円以下の法人は、年800万円までの所得については軽減税率を適用することができます。
よって、所得を複数の会社で分散した方が税額の合計は少なくなります。
ただし、この軽減税率は資本金5億円以上の法人等の100%子法人は適用されないこととなっています。
その他、事業税にも別途軽減税率があります。
交際費の損金算入枠の増加
資本金1億円以下の法人に係る交際費課税については、定額控除限度額(年800万円)まで経費(損金)になりますので、分社することにより別途枠が増えることになります。
退職金が支給できる
新会社に役員や従業員を転籍させることによって退職金を支給することができます。退職金は、不相当に高額でなければ損金になりますので、高い節税効果が期待できます。
一方、退職金を受け取る役員や従業員側では退職所得となり、所得税の優遇措置がありますので税金を抑えることができます。
また、新会社の株主、代表者を親族にすることができれば親族内での財産の分散を図ることもできます。
新会社の免税期間
新会社が消費税の免税事業者で、親会社が原則課税方式を採用している場合に、業務委託料の支払等があれば、それに係る消費税についても、節税効果があります。
いずれにしても、分社する合理的な理由もなくただ単に税金を減らすためだけに無理やり分社し、
会社としての実体がないような場合には、税務上認められません。
また、グループ各社間でのセクショナリズムの発生や思わぬコストの増大など経営に及ぼすリスクもありますので、各側面から計画する必要があります。